2009年11月18日水曜日

 岡本先生・戸田先生・小椋先生 お祝いの会 に参加して

11月15日 日曜日



 岡本先生(JR東京総合病院)・戸田先生(三井記念病院)・小椋先生(東京警察病院) の部長昇進・就任祝いの会が開催されました。

 大学研究室と関連施設の交流・親睦を図る目的も兼ねています。 大学病院の利点、一般病院の利点を相互補完しながら、より良い医療を目指すのが本会の趣旨です。この会を発展させて、人材育成や交流の場として勉強会を行う予定です。私どもは、視野を広く保ち医療の質を向上させる使命があります。臨床研究によって日常医療を検証し改善を図ることによって、医療が進歩するものと信じています。小さな努力でも、みんなで力を合わせて、継続することによって、いつかは”坂の上の雲”に手が届くと教えて頂きました。




写真は、会場のホテルに飾ってあったクリスマスツリーです。一足早くイルミネーションを楽しみました。

第1回 帝京市原・溝口・杏雲堂合同消化器病研究会

10月31日午後

 第1回帝京市原・溝口・杏雲堂合同消化器病研究会が開催されました。

 これは当科の佐藤新平先生が帝京市原病院と溝口病院でラジオ波治療を行っていることと帝京ちば総合医療センター病院も溝口病院も東京大学消化器内科と人事交流があることから、合同で勉強会を行い交流を深める目的で企画しました。今回は初回なので「各施設における診療の実際」というタイトルで各施設の現状と特徴を発表してもらいました。お互いに補完しあって人材育成を図るとともに刺激を与え合う良い関係を構築したいと思います。


 研究会終了後は、京葉線東京駅に隣接するトキア内のベルジアン ビアカフェ アントワープ セントラルで懇親会を行いました。週末の丸の内で楽しいひと時を過ごしました。

第34回リザーバー研究会に参加して

10月31日 土曜日



第34回リザーバー研究会が、愛知県がんセンター中央病院国際医学交流センターで開催されました。一昔前は大腸がんの肝転移に対する動注化学療法が演題の半数以上を占めていたのですが、最近は肝細胞癌の動注化学療法やCVポートといって全身化学療法用のカテーテル埋設の演題が多くなってきています。
 大腸がんの肝転移の治療として進歩した動注化学療法ですが、分子標的薬という新しいタイプの抗がん剤を併用した全身化学療法が、大腸がん肝転移の標準的治療法となったため、大腸がん肝転移の領域では動注化学療法は全身化学療法に取って代わられました。大腸がん肝転移は大腸に原発巣があり、その病変が血流を介して肝臓に転移した結果です。つまり血流に乗って既に全身散布されてしまっている状態です。そのため肝転移に限局していれば動注化学療法は効果がありますが、肺転移など全身に散布された状態では全身化学療法の方が理にかなっている訳です。
 一方、肝細胞癌は肝臓が原発でありしかも比較的転移しにくい性質があります。さらに肝細胞癌は動脈血が豊富に流入しているため動注化学療法を行うには最も適した腫瘍です。特に門脈腫瘍浸潤を伴う進行肝細胞癌は一部の切除可能な症例を除き有効な治療はありませんでした。このような症例に動注化学療法は絶大な効果を発揮します。
 今回、肝細胞癌のセッションを関西医科大学放射線科の米虫敦先生と司会させていただきました。動注化学療法で高度進行肝がんを治療して奏効した症例が報告されました。
ランチョンセミナーでは「進行肝細胞癌に対する化学療法-ソラフェニブの登場後、肝動注化学療法はどうなるか?」というタイトルで国立がんセンター東病院の池田公史先生が講演されました。海外で行われたプラセボ(偽薬)との無作為比較試験で有効性が認められた唯一の薬剤であるソラフェニブを標準治療にすべきとのことでした。確かにそうかもしれませんが、全国民が平等に最高水準の医療が受けられる本邦において、しかも肝細胞癌の診断から治療まで世界最高水準をいく本邦の実績を踏まえ、うまくソラフェニブを本邦の治療に組み込めば良いと感じました。動注化学療法の欠点は治療が奏効しない患者の予後は改善しない点にあります。約半数の非奏効例に対して早期にソラフェニブに切り替えることによって少しでも延命が図れられれば良いと思いました。奏効例はソラフェニブより延命できることは過去の検討で自明です。いずれにしても更なる検討を重ねる必要があると思います。

愛知県がんセンターのロビーに「生生流転」という彫刻がありました。
生とし生けるもの全て生死を繰り返す。その命の輝きを若い女性の姿をかりて表現された彫刻とのことです。

帝京大学ちば総合医療センターの学生講義

10月23日金曜日

 帝京大学ちば総合医療センターで1ヶ月に一度、学生講義を担当しています。医師となる心構えを中心に人間学そして医師国家試験対策など肝臓から少し離れて、私しか出来ない(しない?)講義を目指しています。講義の後半は腹部超音波の実践演習です。学生さんがお互いに腹部超音波検査を行い肝臓をはじめ腹部臓器に親しんでもらいます。
実習後は恒例(?)の質疑応答です。内科実習恒例の”質疑応答at 居酒屋さん”を聞きつけ他科を回っている学生さんも参加し賑やかでした。彼ら彼女らが明日の医療を支えてくれます。これからが更に楽しみです。

学生さんから頂いたコメントです。

先日は僕ら学生を食事に誘って頂きありがとうございました。長年いろいろな先生にご指導いただきましたが、小尾先生のように耳を傾けたくなる先生は初めてお会いした気がします。
今でも「なるほど!」と思える先生のお話を思い出します。
● 病棟で見るカルテも、ただのデータじゃないんだ。偶然見かけた生年月日も、誕生日だったら患者さんにひとこと「おめでとう」って声かけるんだよ。自分だったら嬉しいよね。
● 先生って呼ばれるからって、自分がえらい訳じゃないんだ。僕が君たち学生と楽しくお酒を飲めるのも、いま看護師が僕の目となり耳となって、患者さんを見守っていてくれるからなんだよ。
掃除のおばちゃんだって、患者さんが気分が悪いときに知らせてくれるかもしれない。そうやって、人とのつながりが最終的には患者さんの役に立つこともあるんだよ。おごっちゃいけない。大切なことだよ。

僕らも先生とお話しできて、ちょっと成長できた気がします。
また機会がありましたら、お食事にご一緒させてくださいね。楽しい時間をありがとうございました。  
帝京大学医学部 学生一同

2009年11月17日火曜日

日刊ゲンダイに掲載

10月15日 木曜日

日刊ゲンダイ 10月15日第9932号に13ページ、「がん治療 ここまでやれる! 37 」に、進行肝がんに対するインターフェロン併用5fU動注化学療法の記事が掲載されました。
 治療を受ける3つの条件、①血小板数が12万以下②総ビリルビン1以下であること③腹水がないこと、この3つの条件が奏効を得やすい条件です。

第17回日本消化器関連学会週間

10月14日水曜日から16日金曜日

JDDWが京都国際会議場にて開催されました。

 当科からは元山天佑先生が「体外式腹部超音波による進行大腸癌の診断能の検討-腹部CTとの比較」、佐藤新平先生が「転移性肝癌に対するラジオ波焼灼療法の局所制御能の検討-肝細胞癌との比較-」、小尾が「高度進行肝細胞癌に対するインターフェロン併用5FU全身化学療法」を発表しました。小尾の演題内容は、遠隔転移などでインターフェロン併用5FU全身化学療法を行った症例を検討したものです。100例を超える症例を検討することによって、まず1コース試験的に化学療法を行い効果の反応を見て、2コース以上行える症例は、例え遠隔転移があっても約1年延命できることを証明しました。



元山先生の学会記
今年もJDDWでポスター発表のする機会に恵まれました。今回で2回目でしたが、やはり発表の時は緊張してしまい、司会の先生のおっしゃっている事などもほとんど耳に入っていない状態でしたが、何とか無事に終了しました。これも最後まで面倒をみてくれた佐藤新平先生のおかげです、ありがとうございました。夜は先生方と京都の景色を楽しみながら食事をしたり、または大学時代の友人とひさしぶりの再開してお互いの近況を教えあったりと充実した時間を過し、よき思い出を作ることができ、元気が出てきました。今回の学会で学んだ事を日々の診療に生かせるようにまい進したいと思います。(元山天佑先生記)




佐藤新平先生の学会記
私は、ポスター発表で転移性肝癌のラジオ波焼灼療法についての成績を発表しました。転移性肝癌も肝細胞癌のラジオ波焼灼療法と同様、局所の制御に有効であるということを述べました。夜は久々に恩師の小俣政男先生(山梨県顧問)とお会いでき、会食を御一緒させていただき、有意義な一夜となりました。(佐藤新平先生記)

 水曜日の夜は、小俣政男先生を囲んで、京都国際会議場近くの「ざくろ」で食事会を行いました。モダンな和空間で大学病院で一緒に働いた仲間たちと楽しい一時を過ごしました。「ざくろ」は、杏雲堂前院長の高橋俊雄先生に紹介して頂いたお店です。偶然にも高橋先生にもお会いでき素晴らしい夜でした。
 木曜日の夜は、帝京大学ちば総合医療センター、帝京大学溝口病院、自衛隊中央病院の先生方とジョイントして鴨川沿いの京料理店「十一屋」で食事会を行いました。鴨川を渡る秋風が気持ちよかったです。


 金曜日、新幹線に乗るまでの間、京都駅南にある東寺を訪ね薬師如来像を見てきました。やはり薬師如来は民を救うオーラに包まれています。横には日光菩薩、月光菩薩を携えています。言わば日勤の看護師さんと夜勤の看護師さんですね。皆様の病気平癒を祈願しました。

 留守を守ってくれた佐藤隆久先生、菅田美保先生ありがとうございました。


ThermoDox Investigators Meeting

10月10日土曜日



ThermoDox Investigators Meeting が開催されました。
ThermoDox(サーモドックス)とは熱感受性リボゾームにドキソルビシンという抗がん剤を封入した薬剤です。サーモドックスを肝がんのラジオ波焼灼術(熱で癌を壊死させる治療)と併用する治験が行われます。サーモドックスは、ラジオ波などの熱を加えることによってリボゾームに封入された抗がん剤を放出する作用があります。つまり癌に局所的に抗がん剤を集めることが出来ることが期待されています。国際共同治験で米国・カナダ・イタリア・香港・韓国・日本・中国などで行われています。本邦では当院を含め、岩手医科大学病院、東京大学病院、関東中央病院、JR東京総合病院、日本赤十字医療センター、千葉大学医学部付属病院、和歌山県立医科大学病院、三重大学医学部付属病院、岡山大学医学部付属病院(順不同)が参加しています。
 治験参加基準は①肝細胞癌であること②腫瘍個数が4個以下で最大径が3cm以上の病変が少なくとも1つあり、7cmを超えるものが無い。最大径が5-7cmの大きな腫瘍がある場合、その他の腫瘍は5cm未満であること。以上が試験参加基準です。詳細は外来でお尋ね下さい。

2009年11月11日水曜日

第1回OTUKA肝癌栄養治療フォーラム


10月3日土曜日

 第1回OTUKA肝癌栄養治療フォーラムが開催されました。肝臓は生産・分解・貯蔵を行っており代謝の中枢で栄養学とは密接な関係があります。当院でも入院患者さんの日々の食事をはじめ肝臓病教室の開催など栄養科との連携は欠かせません。
 最近のこの分野でのトピックスはLate Evening Snack(LES) です。人間は朝昼晩三度の食事を摂りますが、どうしても晩御飯から朝御飯まで時間が空きます。例えば午後7時に夕食を食べるて朝御飯を朝7時とすると12時間空くわけです。夜間の空腹(飢餓)状態を夜食によって回避することで肝機能を改善でできるか?研究が進んでいます。

当院でもアミノレバンENを就寝前に内服することが、肝細胞癌治療後の合併症や自覚症状を改善するのか?患者さんにご協力をいただいて自主臨床研究を行っています。

栄養士さん・薬剤師さんなどと力を合わせ肝機能改善という難問に立ち向かって行きたいと思います。