2011年6月15日水曜日

お腹が・・・

6月5日 日曜日

北杜市立甲陽病院に通うようになって気付いたこと。
①山の美しさ。
②60-70歳台のがん好発年齢を乗り越えれば、あとは自分次第。

②について説明しますね。「あとは自分次第」について・・

甲陽病院の病棟を週1回 火曜日の早朝に回診しているのですが、内科に15人ぐらい入院していて、そのうち意識がある人は5人ぐらいです。

みんな高齢者で平均88歳位でしょうか。主に脳血管障害で寝たきり、誤嚥性肺炎で入院、胃瘻(お腹を刺し胃袋に入れた管)からの栄養というパターンです。例え意識がなくとも、本人もつらいでしょうし、家族も大変ですよね。さらにガンじゃないから、この状態が続く(長生き)んです。

何とかならないか?と思いますよね。

本邦の死亡原因の半数はガンですよね。ガンは大体80歳までの病気です。リスクを減らすことが出来るガンもありますし、治るガンもありますが、半数がガンで亡くなるのが今の現実です。自分の努力ではどうにもならないこともあります。

さて幸いににもガンにならなかったら。次は血管障害(脳梗塞、脳出血、心筋梗塞)です。
これらを予防するには、地道ですが肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病をコントロールしておけばOKということになります。つまり”自分次第”です。

寝たきりにならないために・・どうすれば良いか・・・分かっているのに・・・このお腹・・・?

・・・・というわけで爽快な日曜の早朝に、飛び出しましたよ・・海を目指してジョギングです。


新大橋通りを南下すると右手に築地本願寺が見えてきます。本願寺の外壁に東日本大震災の応援ポスターが貼ってあります。その中の一枚、Don't give up ! We can do it ! 好きだなぁーこういう言葉。
昭和40年生まれだもの・・・7月初旬に海外の肝がん専門医の前でプレゼンする予定なので使っちゃおう、このフレーズ。やっぱ、早起きは三文の徳だね。でもまずは自分のお腹を何とかしなきゃ・・それこそNever give up !

おぉ 見えてきました!ライバルの姿が・・・・。ランナーじゃありませんよ!
嘉山総長率いる国立がん研究センター中央病院です。「お互いがんばろうぜーっ」てエールを送りました。届いたかなぁ?
さあ築地市場をすり抜け、汐留交差点を左に舵をきると、左手に浜離宮です。潮の香りがしてきました。海はもうすぐそこです。

今日の目的地は、竹芝桟橋です。

着いたーっ!


ちょっと霞がかったお台場方面に向かって携帯で写真撮影です(カシャーァ)。遠くに見えるのはレインボーブリッジです。


反対側(Water Front)をみると朝日が昇ってきました。今日も良い一日であるように!お祈りしました。さあこれから新橋駅までもう一走り。御茶ノ水まで電車で戻って、ちょこっと回診です。

第43回肝癌症例検討会

6月4日土曜日


秋葉原にて第43回肝癌症例検討会が開催されました。今回のテーマは”細胆管細胞癌”です。


最近、細胞と胆管細胞の繋ぎ手であるヘリング管幹細胞が存在することが明らかになりました。細胆管細胞がんは、通常の肝細胞癌や胆管細胞癌とは異なり、このヘリング管細胞由来のがんとされています。


第5版原発性肝癌取扱い規約から、細胆管細胞癌は独立した疾患として提唱されています。


比較的稀な疾患なので、症例検討会のように各施設から症例を持ち寄って、その臨床像(画像、腫瘍マーカー、病理組織像、治療、予後)を明らかにして、いかに通常の肝細胞癌や胆管細胞癌と見分けるのか?知りたいところです。


内科医や外科医はもちろん放射線科医や病理診断医も集まって議論しました。

2011年6月3日金曜日

第47回日本肝臓学会総会

6月2日木曜日から3日金曜日

お台場のホテルグランパシフィックLE DAIBAにて、第47回日本肝臓学会総会が開催されました。
当科からは、4演題を発表しました。

佐藤新平先生は、
「転移性肝がんに対する経皮的ラジオ波焼灼療法の成績」と「ソナゾイド造影超音波が与えたインパクト」について発表しました。
発表中の佐藤新平先生

佐藤隆久先生は、
 Late evening snackは進行肝がん患者の自覚症状を改善する」という演題名で報告しました。
会場で。佐藤隆久先生

河井敏宏先生は、
閉塞性黄疸を伴う進行肝細胞癌に対する胆道ドレナージ化のインターフェロン併用動注および全身化学療法の治療成績」を発表しました。
発表中の河井敏宏先生

日々の診療をまとめて発表し、全国の先生方と討論することによって自分たちの診療を検証することが可能です。臨床研究が明日の医学の扉を、きっと開くことでしょう。



新しい仲間 2

6月1日水曜日

本日から消化器内科医員として、八島陽子先生が日赤医療センター消化器内科より赴任してくれました。東京大学消化器内科のご配慮によって実現しましたので厚く御礼申し上げます。

八島陽子先生は、胆膵のエキスパートです。
肝臓が産生する胆汁は、胆管を通って(途中、胆のうに寄り道して)十二指腸に流れます。この経路を胆道と呼びます。これらの疾患や膵臓疾患、さらに何らかの原因で狭くなった消化管を、形状記憶合金で広げるステント治療も行ってくれます。まさに太陽の子のように熱い情熱をもって治療にあたってくれると思います。

当初わたし一人で始めた肝臓科も、肝臓のみならず消化管、胆・膵の専門医が加わり、名実ともに消化器・肝臓内科となりました。さらに当院の腫瘍内科や消化器外科と連携し消化器センターを目指します。

患者さんのあらゆるご要望にお答えできる体制が整いつつあります。
消化器疾患全域を対象に、良性疾患から悪性疾患、緩和療法、さらに在宅治療も視野に入れて努力する所存です。

これからも一緒に頑張りましょうね。


太陽のように力強く、海のように広い心で
病気で苦しむ患者さんたちを助けたいと思います
(帝京ちば医療センターに向かう道中でのひとコマ)

2011年6月1日水曜日

129年目の創立記念日

6月1日水曜日 

当院は、明治15年に創立された老舗病院です。今日を迎えられたのも、患者さんに必要とされ支えて頂いた賜物です。心より感謝いたします。



創立記念日の企画として“がん講演会”が開催されました。

トップバッターとして、当科から佐藤新平先生が 難治がんにラジオ波で挑む という講演を行いました。
他施設で断られた患者さん(頭蓋骨転移や頬骨転移、腎転移症例など)を 無痛ラジオ波 で見事に治療した患者さんを提示しました。講演会にいらっしゃった皆様に理解して頂けるように、心に響くように、患者さんの声も入れて、講演してくれました。理解を助け、笑いと感動の涙を誘うスライド作成を手伝ってくれたのは、当科のアイドル高木さんです(ありがとうね)。

講演中の佐藤新平先生です

佐藤新平先生は、2年前に当院に赴任してくれました。ラジオ波による悪性腫瘍の治療を専門としています。
ラジオ波焼灼療法の問題点の一つであった治療中の痛みを、麻酔科の先生と協力して上手くコントロールすることによって、安全かつ十分な治療を行っています(ラジオ波紹介のページ)。

佐藤先生の講演に続いて、当院婦人科の坂本先生が若年子宮頸がんの最近の治療戦略 PDTで治療することによって、妊娠や出産が可能というデータを示してくれました。
さらに がん研有明病院化学療法科・血液腫瘍科部 畠清彦先生 が “抗癌剤治療におけるチームと活性化”という内容で講演してくれました。がん研有明病院で、どういう問題点があって、どのように抗癌剤治療におけるチームが形成されていったのか、結果として抗がん剤治療がいかに安全に効果的に治療できたのかを、熱演してくれました。

このあとお向いさんの明治大学1階のパンセで懇親会が開催されました。