2011年12月31日土曜日

ゆく年くる年

平成23年12月31日

ゆく年くる年

今年も最後の日となりました。そして新しい年を迎えます。

 故郷に帰り、年末恒例、NHKの”ゆく年くる年”を見るのが大好きです。
でも飲みすぎて・・夢の中で・・・見れないことが多いんですけどね。

 比叡山や永平寺を中継してくれます。深々と冷え込み、音もなく雪が降っていて・・・・

新しい年を迎える厳かな気持ちに浸れます。


 写真は雪の永平寺です。今年は、震災があり大変な一年でした。しかし震災は、私たちが失いかけていた”何か”を教えてくれました。

 起きてしまったことは、起きてしまったこと。戻すことは出来ません。さらにプレートの重なり合う頂点(日本列島)に住んでいる日本人に地震は避けられません。これを教訓に備えること、そして復活すること。その過程に明るい明日の活力があります。

 日本の底力を信じています。

 皆で明るい明日を築きましょう。大晦日、除夜の鐘が遠くで鳴っています。僕の心の煩悩が、また一つ消えていきます。心の大掃除もバッチリです。

 皆様、よいお年をお迎えください。

2011年12月28日水曜日

支え合い

12月27日火曜日


山梨県北杜市立甲陽病院の、2011年最後の外来が終わりました。

火曜日の一般内科外来が閉鎖の危機にあったため、急遽、4月からお手伝いすることになり早、9か月が経過しました。

ご高齢で歩くのがやっと、さらに幾つかの内科的疾患を抱え、老夫婦二人暮らし、もしくは一人暮らしという患者さんたちを診させていただきました。

「(病院の)循環バスの、バス停に行くのも苦労(しんどい)だよ」

と、ある患者さんがこぼしていました。

甲陽病院の外来は、いろいろ考えさせられます。

人は必ず歳をとり、やがて亡くなります。体が動く若いうちは何とかなります。でもいつの日か、人は必ず歳をとり、体が思うように動かなくなります。

動物は群れを外れ孤独に死んでいきます。でも人には英知があるはずです。

以前は良い意味での家制度があり、例え貧しくても家族で支え合い生きてきました。

自由主義も度が過ぎると個人主義になり、結果として人間は孤独になります。若いうちの孤独は、まだ耐えられます。しかし歳を重ね体が不自由となった時の孤独は辛いです。

資本主義の弊害で、金銭や華美な暮らしの追及に走った結果、農村に取り残された孤独な高齢者を、今、僕は目の当たりにしています。

人として何が大切なのか?

真の意味での美しい生活は“支え合い”だと思います。

不慣れな総合内科外来ですが、いろいろ教えてくれる高齢の患者さん達に、少しでもお役にたてるよう努力したいと思います。

病院の屋上は、疲れた心を癒してくれます。今日の山達です。南には富士山(屏風絵のような雲が懸かっていました)、西には甲斐駒ケ岳(最も好きな山です)、北には八ヶ岳(この時期は八ヶ岳下ろしが吹きとても寒いです)が見えます。

僕の心の中に住むドラゴンを、これら雄大な山のように大きく育てたいと思います。

                  富士山

                 甲斐駒ヶ岳

                    八ヶ岳

2011年12月8日木曜日

学生実習

12月7日 水曜日

 皆さん、こんにちは。

今日は、東京大学の学生実習を担当しました。

 年に3、4回、3名の学生さんが校外実習に来ます。せっかく実習に来てもらうのですから、”何か役立つように”と、いつも考えるのですが・・・

 大学と同じことをやっても、興味をもってもらえません。スライドを使って、概略を説明してから病棟を診て、実際の治療を見学してもらおうと思いましたが、難しいですね。僕自身、学生実習がどうだったか?やっぱり、その場に興味が湧かなければ、退屈でしたからね。でも、これも通らなければならない道だと観念して(そこまで大袈裟ではありませんが)、実習に参加していました。

 立場が逆転して、いざ自分が教える側に立つと、教える苦労が良くわかります。ポーカーフェイスの学生さん(今回という訳ではありません)を見ると、「つまらないぞ!」と言ってるみたいです。今回、スライドを使って、概略を説明するのはダメだと骨身にしみました。会議室の空調が悪く暑かった、昼食後であった、いいえ、興味を引き出せなかったのです。全員睡魔に襲われていました。完敗です。
 学生さん、せっかく来てくれたのにごめんなさいね。

 大学に無くて、当院にあること。

 やはり、”進行がんの治療”、これしかありません。

 次回は、病棟で患者さんに協力してもらい、一人の患者さんの”生き様”を、学んでもらいましょう。生い立ちから家族的・社会的背景、そして病歴から治療歴、そして現在行われている治療がどうか?
ケース・バイ・ケースで全ての患者さんが違います。患者さんが、病気をどのように受け止め、どのように戦っているのか、どのような葛藤があるのか?

 教えることは難しいでしょう。僕らも全て解かってやっている訳ではないから。でも誰かが若い人たちに少しでも伝えなければいけないから。

 頑張るしかないですね。